10.統合失調症に対する霊的な見方
本当は不幸な出来事ではない
統合失調症の患者を抱えた家族は大抵、何という不幸を背負ってしまったのだろうかと悩んでいます。前世で何か悪いことをしたために
統合失調症の多くに「前世のカルマ」が関わっていることは事実ですが、統合失調症であることは、大きな目で見るならば必ずしも不幸なことではありません。霊的な考え方をすることによって、不幸を感謝に変えることもできるのです。本章の最後では、「統合失調症」に対するスピリチュアル・ヒーリングの霊的な見方を取り上げます。
憑依による精神病の多くは、前世のカルマが原因
前世において“利己性”という摂理に反した生き方をした場合、それが悪因縁となって、次の再生時に苦しみをもたらすことになります。これが多くの宗教で言われてきた「カルマによる苦しみ(因果応報の罰)」ですが、それは紛れもない霊的事実なのです。カルマによる苦しみは、犯した利己的行為の程度によって、また再生時の人間環境や社会環境によって、さまざまな形をとって現れます。病気であったり、人間関係のトラブルや家庭問題であったり、不慮の事故や経済的困難などとして生じます。
憑依による精神病も、そうした前世のカルマが関係して引き起こされるものです。したがって現在、憑依による苦しみを体験しているとするならば、患者本人であれ家族であれ、前世においてその苦しみに相当する利己的行為をしてきた可能性があるということになります。
しかし憑依による苦しみを、すべてマイナスに考える必要はありません。カルマによる苦しみは、過去の罪に対する「罰」であり「償い」であることは事実ですが、見方を変えるならば、それは「カルマを清算して霊的進化の道を再出発するためのプロセス」とも言えるのです。統合失調症による苦しみの体験は、考え方ひとつで、より良い未来に向けての第一歩となるのです。
苦しみによる前世のカルマの清算
カルマによる苦しみは、霊的成長のために必要なプロセスとして発生します。人間的な見方からすると、そうした苦しみは避けたいものですが、霊的な大きな視点から見ると、それはむしろ霊的成長にプラスとなるありがたいものなのです。その意味で憑依の苦しみは、本当は悲劇でも不幸でもありません。
憑依による苦しみを通じて前世のカルマが少しずつ消滅し、やがてすべてのカルマが清算されると「霊的覚醒」の時を迎えることになります。そして憑依の苦しみから完全に解放されるようになります。
カルマの消滅と、スピリチュアル・ヒーリングとの出会い
カルマが消滅する時期に差しかかると、長年苦しんできた憑依の苦しみから自動的に解放されるようになります。人によっては、先に述べたような「本物のスピリチュアル・ヒーリング」との出会いが訪れるかもしれません。スピリチュアル・ヒーラーのもとに導かれて、カルマ解消のための仕上げとしての治療を受けることになります。
いかなる地上人も“因果応報”という神の摂理から逃れることはできません。すべてがカルマの法則の支配の中に存在しています。憑依によって精神病になるのも、スピリット・ヒーリングによってその病気が治るのも、すべてこの「因果応報の摂理(カルマの法則)」のもとで展開していることなのです。