3.除霊治療とスピリット・ヒーリングの共通性

“霊魂観”を前提とした医療

ホリスティック医学からも敬遠されるシャーマニズム医術

シャーマニズムでは、死霊・邪霊が地上人に取り憑くこと(憑依)で病気が引き起こされると考えます。治療とは、地上人に憑依した霊を取り除くこと(除霊)になります。

こうしたシャーマニズムの「憑依と除霊」という病因論・治療論は、現在の唯物医学とは全く相容れません。シャーマニズム医術は現代医学の対極に位置し、最も隔たっています。当然、現代医学はシャーマニズムの除霊治療を認めることはありません。西洋医学からすれば「除霊」などというものは医学の範疇に属するものではなく、単なる迷信による宗教的行為に他なりません。

一方、現代医学と対立する立場にあるホリスティック医学も、現代医学と同様に除霊治療を認めようとしません。ホリスティック医学関係者にとっても除霊は、迷信ないしは宗教的思い込みとしかとらえられないのです。そして除霊治療を、同じホリスティック医学の仲間に入れさせるべきではないと考えるのです。

除霊治療と「スピリット・ヒーリング」の共通性

スピリチュアル・ヒーリングは、ホリスティック医学の中で最も宗教的要素の多い医療と言えますが、「除霊治療」はその宗教性をさらに推し進めたものになっています。すでに本書で述べましたが、一口にスピリチュアル・ヒーリングと言っても、「スピリット・ヒーリング」と他のスピリチュアル・ヒーリングでは根本的な違いがあります。その違いは、霊医の存在を認めるかどうかということです。

スピリチュアル・ヒーリングの中で、「スピリット・ヒーリング」のみが「霊医」という具体的な霊的実在(スピリット)を治療の前提としています。このように明確な“霊魂説”に立脚しているという点で「スピリット・ヒーリング」は、スピリチュアル・ヒーリングの中で特別な立場にあります。一方「除霊治療」も、言うまでもなく霊魂(スピリット)の存在を認めます。“霊魂説”を前提とするという点で、両者は共通性を持っています。

地球上に存在する数多くの医学・医療の中で、「スピリット・ヒーリング」と「除霊治療」のみが、あの世にいる霊(スピリット)の存在を医学のレベルで扱います。この2つの治療法は、唯物科学や唯物医学が迷信として頭から否定している“霊魂説”の正当性を、医学的事実によって証明するための実験となっています。

スピリチュアル・ヒーリングでは、これまで迷信として片づけられてきた除霊治療のメカニズムを明らかにし、実際に除霊によって一部の精神病が治癒される事実を証明しています。

次にスピリチュアル・ヒーリングによる憑依現象のメカニズムと、除霊治療の本質について見ていくことにします。