4.スピリチュアル・ヒーリングに対する公正な検証の必要性
“インチキ”の横行するスピリチュアル・ヒーリングの世界
従来のスピリチュアル・ヒーリングでは、批判者がたびたび指摘してきたように、実際に多くの不正が行われてきました。きわめて遺憾なことですが、インチキを働くヒーラーの数は、誠実で良心的なヒーラーの数を常に上回っていました。スピリチュアル・ヒーリングが
しかし、すべてのスピリチュアル・ヒーラーが悪事を働いているわけではありません。ほんの一握りであっても、真実のスピリチュアル・ヒーラーがいて、人類に最高の恩恵をもたらすために献身的に働いてきました。
公正な検証を歓迎
ホリスティック医学は、全人類への貢献という観点から、スピリチュアル・ヒーリングに対する積極的な検証に乗り出すべきです。スピリチュアル・ヒーリングの中から、本物とインチキを見極め、一部であっても人類に真の恩恵をもたらす本物が存在することを公表すべきです。
スピリチュアリズムの歴史の中で、スピリチュアル・ヒーリングは、常に現代医学による客観的な検証を歓迎してきました。そうした人物の代表がハリー・エドワーズです。そして現在でも真摯なヒーラーたちは、現代医学の検証に対して常に門戸を開いています。ホリスティック医学が総合的な医学理論の確立を目指すならば、真っ先にスピリチュアル・ヒーリングの真偽の検証に乗り出すべきです。
スピリチュアル・ヒーリングに対する検証は、可能なかぎり厳格に行われなければなりません。複数の医者によって診断・検証が実施されなければなりません。それは先入観の混入を排除するために、スピリチュアル・ヒーリングとの関わりを一切知らせずに進めるべきです。そうした厳格な二重盲検の結果を、第三者によって公表することが望まれます。現在は、このような公正な手続きによるスピリチュアル・ヒーリングの検証結果を、世に公表する時代に入っています。
またホリスティック医学関係者は、スピリチュアル・ヒーリングによる「治癒率」と、気の医学やホメオパシー、カイロ・プラクティック、心身医学、民間療法などの「治癒率」とを比較検証することも必要です。スピリチュアル・ヒーリングが、ホリスティック医学の他の療法と比べ治癒率が劣るものかどうかを確認し、その結果を公表する義務があるのです。
スピリチュアル・ヒーリングは、証明責任を果たしている
スピリチュアル・ヒーリングに対する公正な検証を実施せずに、スピリチュアル・ヒーリングについての批判はすべきではありません。科学者であり、懐疑主義者として知られるカール・セーガンは、「大切なのは証拠がどれだけ確かなものかという点だ。証明をするという重荷は、その主張をした者の肩にかかっている」(『人はなぜエセ科学に騙されるのか・下』P16)と言っています。すなわちスピリチュアル・ヒーリングの証明責任は、スピリチュアル・ヒーリングのサイドにあるのに、これまでいっこうにそれをしようとしてこなかったと非難しているのです。
しかし、このカール・セーガンの批判は当てはまりません。なぜならスピリチュアル・ヒーリングは、自らを検証台に乗せるという公正な態度を、ずっと取り続けてきたからです。セーガンは、本物のスピリチュアル・ヒーラーたちが、常にフェアな姿勢で検証に応じてきた事実を全く知らないのです。検証に応じないのは“ニセのヒーラー”だけなのです。