3.「治療エネルギー理論」と、スピリチュアル・ヒーリングの分類
「治療エネルギー理論」
一口にスピリチュアル・ヒーリングと言っても、そこで使用される治療エネルギーはさまざまです。スピリチュアル・ヒーリングで使用される治療エネルギーは、大きく2つに分類されます。その1つは――霊医から送られてくる「高次の霊的エネルギー(スピリット・エネルギー)」です。もう1つは――ヒーラー自身が有している「生体エネルギー」です。後者の生体エネルギーは、さらに「霊体エネルギー(サイキック・エネルギー)」と「肉体エネルギー(マグネティック・エネルギー)」の2つに分けられます。
それぞれの治療エネルギーには特徴があり、それ特有の治療を成立させ、当然のこととして治療結果に大きな影響を及ぼすことになります。これを「治療エネルギー理論」と呼びます。
次に、「治療エネルギー理論」の内容について掘り下げてみることにします。3種類の治療エネルギーの特徴を理解することによって、「治療エネルギー理論」の全体が明らかになります。
「スピリット・エネルギー」
霊医から発せられる治療エネルギー
霊医が主役となる治療(スピリット・ヒーリング)では、霊医は地上のヒーラーの霊能力(生体エネルギー伝達能力)を活用して、治療エネルギーを患者に伝えます。その際、ヒーラーの生体エネルギー(霊体エネルギー・肉体エネルギー)の一部も同時に伝達されることになります。しかし中心となる治療エネルギーは、霊医から発せられる高次の霊的エネルギーです。この霊医からの「スピリット・エネルギー」は、地上のヒーラーの身体を通過する過程で物質性が加えられ、患者に届けられることになります。
地上のヒーラーを経た治療エネルギーは、患者の「霊と霊の心(精神)の接点部」「霊の心(精神)と霊体の接点部」「霊体と肉体の接点部」から患者の身体の各構成要素に流入します。こうしてもたらされた治療エネルギーは、患者の「霊部位」にまで至り、そこを充電・活性化します。さらに治療エネルギーはステップダウンして身体のすべての構成要素に行きわたり、各部をいっそう活性化することになります。その結果、「エネルギー循環システム」が正常化されるようになるのです。
霊的存在(霊医)から送られる純粋な「霊的エネルギー」であればこそ、患者の身体の最高次元の部分に流入することができるようになります。したがってスピリチュアル・ヒーリングを自称していても、実際に治療の主役となる「霊医」が背後に存在していないかぎり、この種のヒーリングは成立しません。
また霊医による治療では、高次の霊的エネルギーがヒーラーの身体を通過する際に、ヒーラー自身のエネルギーレベルをアップさせることになります。そのため道具として治療に携わるヒーラーの病気が癒されたり、疲労が回復して元気を取り戻すことができるようになります。治療をすることによって、ヒーラー自身にも健康がもたらされるようになるのです。
治療が成功して「霊部位」が活性化されると、患者の「魂の窓」が開かれるようになります。そうなると“自力”で必要な霊的エネルギーを霊界の大気中から取り入れることができるようになります。病気のぶり返しも起こらなくなり、患者本人の霊的意識も飛躍的に広がります。“スピリチュアリズム”のヒーリングは、まさにこのことを目的として行われているのです。
「サイキック・エネルギー」
ヒーラーの霊体エネルギー
世間一般に知られているスピリチュアル・ヒーリングは、ヒーラーが自分自身の生体エネルギーを患者に与えて治療するというものです。その際、ヒーラーが与えるエネルギーの1つが「霊体エネルギー(サイキック・エネルギー)」です。霊体から放射される霊体オーラは、サイキック・エネルギーの一種です。
ヒーラーから発せられた「霊体エネルギー(サイキック・エネルギー)」は、患者の「霊体と肉体の接点部」から霊体に流入し、霊体のエネルギーレベルを活性化させ、再び接点部を経て肉体に流入することになります。ごく稀にサイキック・エネルギーの一部が霊体から上昇し、霊の心(霊的意識)のレベルに届くこともありますが、とてもそこを充電・活性化するまでには至りません。
ヒーラーの「霊体エネルギー」を患者に与えるというヒーリングでは、それほど大きな治療効果を上げることはできません。それは患者に投射されたエネルギーが、最も高次の「霊部位」に至ることができないからです。
こうしたヒーリングでは、ヒーラーは自分自身のエネルギーを患者に与えるため、大勢の患者を相手にしたり治療時間が長引いたりするとエネルギーを使い果たし、へとへとになってしまいます。意識的に呼吸法や瞑想などをして霊的エネルギーを取り入れないと、立っていられないほど
「マグネティック・エネルギー」
ヒーラーの肉体エネルギー
世間一般では、ヒーラーが自分の「肉体エネルギー」を患者に与えるヒーリングも、スピリチュアル・ヒーリングの名前で呼ばれています。このヒーラーの肉体エネルギーは、「マグネティック・エネルギー(生体磁気エネルギー)」と言われることもあります。肉体から発せられるオーラは、この生体磁気エネルギーの一種です。
ヒーラーの「マグネティック・エネルギー」は、患者の霊体と肉体の接点部から肉体に流入し、肉体のエネルギーレベルをアップさせることになります。それによって一時的に肉体の“自然治癒力”が活性化され、病気が癒されることになります。時には与えられた肉体エネルギーが再び接点部を通って霊体に入り、わずかですが霊体エネルギーのレベルを引き上げることもあります。しかし、それも所詮は微々たるものです。
一方、自分の肉体エネルギーを与えるヒーラーや治療師は、疲れ果ててしまいます。もともとよほど肉体エネルギーのレベルが高い者でないかぎり、この種のヒーリングは治療する側の人間の健康を害することになります。
治療エネルギーによるスピリチュアル・ヒーリングの分類
治療に利用される「治療エネルギー」の種類によって、スピリチュアル・ヒーリングは次の3つに分類されます。
①スピリット・ヒーリング
霊界の医者が、「スピリット・エネルギー」を地上のヒーラーを介して患者に与えるヒーリングです。最高の霊的治療エネルギーによる治療法で、治療レベルも最高となります。
②サイキック・ヒーリング
地上のヒーラーが、自らの「サイキック・エネルギー(霊体エネルギー)」を用いて行うヒーリングです。気功治療・レイキ・手かざし・手当て療法・オーラ療法などがこれに含まれます。
③マグネティック・ヒーリング
地上のヒーラーが、自らの「マグネティック・エネルギー(肉体エネルギー・生体磁気エネルギー)」を用いて行うヒーリングです。手技療法(鍼灸・指圧・按摩・マッサージ・整体・カイロプラクティックなど)がこれに含まれます。
近代スピリチュアリズムの一環として、「スピリット・ヒーリング」が起こされることになりました。したがって“スピリチュアリズム”で言うスピリチュアル・ヒーリングとは、①の「霊医」によるヒーリングを指しています。霊医の介在しない②や③の治療ケースは、スピリチュアリズムでは正式のスピリチュアル・ヒーリングとは見なしていません。
ヒーラーの使用できる「治療エネルギー」が、ヒーリングの種類を決定
スピリチュアル・ヒーリングの名称で呼ばれる治療法はいろいろありますが、その中で最もポピュラーな治療形式は、手かざし法や身体接触法でしょう。これらの治療風景を
あるヒーラーは「霊医」から送られてくる「霊的エネルギー(スピリット・エネルギー)」を患者に与えます。またあるヒーラーは自分の「霊体エネルギー(サイキック・エネルギー)」を与え、別のヒーラーは「肉体エネルギー(マグネティック・エネルギー)」を与えることになります。また1人のヒーラーが、複数のエネルギーを同時に与えて治療をするようなこともあります。
これは同じスピリチュアル・ヒーリングを名乗っていても、「スピリット・ヒーリング」をしている場合もあれば、「サイキック・ヒーリング」や「マグネティック・ヒーリング」をしている場合もあるということなのです。“スピリチュアリスト”がヒーリングをしたからといって、必ずしもスピリット・ヒーリングになるわけではありません。ヒーラーの「霊性」が劣るなら、スピリット・ヒーリングは成立しません。単にサイキック・ヒーリングやマグネティック・ヒーリングにとどまります。
こうした状況は、気功治療にもそのまま当てはまります。“気功治療”といえば、気功師が自分の「霊体エネルギー」か「肉体エネルギー」を患者に与えて治療するのが普通です。しかしきわめて稀なケースですが、気功師の霊性と人格性が優れている場合には、本人が自覚していなくても、霊界の医者から送られてくる霊的エネルギーの通過体として「スピリット・ヒーリング」をしていることがあるのです。したがって気功治療といっても、気功師の内容によって「サイキック・ヒーリング」であったり「マグネティック・ヒーリング」であったり、「スピリット・ヒーリング」であったりするということになります。
このようにヒーラーが実質的に使用できる治療エネルギーによって、どのようなヒーリングになるのかが決定されます。