6.「霊的エネルギー」から「肉体エネルギー」への転換

「霊体」と「肉体」の間のエネルギー交流

スピリチュアル・ヒーリングとインド伝統医学(ヨーガ)では、ともに不可視の霊的身体の存在を認め、霊的身体と肉体の間をエネルギーが往き来しているとしています。この点が気の医学と根本的に異なっています。

スピリチュアル・ヒーリングでは、霊体にある「霊的エネルギー」は、半物質の中間体を経る間に「物質エネルギー」に変換され、肉体にもたらされると考えます。そして「肉体(物質)エネルギー」は中間体を通過する間に「霊的エネルギー」に変換され、霊体にもたらされるとします。

スピリチュアル・ヒーリングのエネルギー交流

一方、ヨーガでは、チャクラと言われる霊的中枢器官によって、霊体と肉体の間のエネルギー交換がなされるとします。チャクラは、微細身(霊体身体)に存在する「プラーナ(霊的エネルギー)」を「物質エネルギー」に変換して肉体に流し、その一方で「肉体(物質)エネルギー」を「霊的エネルギー」に変換して微細身にも送っています。

ヨーガのエネルギー交流

チャクラについてのスピリチュアリズムの見解はすでに述べましたが、スピリチュアル・ヒーリングでは、ヨーガで言うようなチャクラという独立した霊的器官の存在を認めません。チャクラと言われているものは、霊体と肉体を結合する半物質の中間体上の接点にすぎません。

しかし、いずれにしても霊体から肉体にエネルギーがもたらされ、反対に肉体から霊体へもエネルギーがもたらされるという点において、両者は全く同じ見解に立っています。このとき肉体に入ったエネルギーは、中国伝統医学で言う「気エネルギー」と同じものを指しています。

「霊的エネルギー」から「物質エネルギー」への変換の実験

ところで、霊的エネルギーが実際に物質エネルギー(気エネルギー)に変換されることを証明する科学的事実はないのでしょうか。実は、そうした実験がすでに行われているのです。ここではそれに関連した2つの実験を取り上げます。

スピリチュアル・ヒーリングでは、「霊的エネルギー」が肉体に流入することによって「肉体エネルギー」のレベルがアップするとしていますが、以下の2つの実験は、その見解が正しいことを証明しています。

①「チャクラ」と「経絡」の関係を調べる実験

本書でたびたび取り上げている本山博は、ヨーガによってチャクラを目覚めさせたとき、経絡の気にどのような変化が生じるのかを実験で確かめようとしました。チャクラを目覚めさせるということは、スピリチュアル・ヒーリングの見解からするならば、一度に大量の霊的エネルギーが、中間体の接点を通って肉体にもたらされるということを意味します。したがってこの実験は、「霊的エネルギー」が一度に大量に肉体に流れ込んだとき、物質的な「気エネルギー」がどのように変化するのかを調べようとした実験ということになります。

中国伝統医学(気の医学)で特定の経絡とそれに関連する臓器の関係が明らかにされているように、ヨーガでも特定のチャクラと臓器との関連性が明らかにされています。本山はある実験で、特定の「チャクラ」を目覚めさせるとそれに関係する臓器に変化が見られ、中国医学で指摘されているようにその臓器に関連する「経絡」にも変化が生じる気エネルギーのレベルがアップする)ことを確かめました。これによってチャクラと経絡が関係があること、チャクラが経絡の状態を左右することが証明されました。

「チャクラ」と「経絡」の関係

②「霊的エネルギー」と「経絡」の関係を示す実験

本山は、さらに次のような実験をしています。彼は、自らの宗教的修行や心霊治療(サイキック・ヒーリング)の中で、霊的エネルギー(サイキック・エネルギー)を他人に送るという体験を持っています。

本山は、霊能者が霊的エネルギーを他人に送ると、霊的エネルギーを送られた相手の経絡に変化が生じることに注目しました。彼は実験を通して、「霊的エネルギー」が、物質エネルギーである「気エネルギー」に影響を及ぼす事実を確認しました。霊体のエネルギーが肉体のエネルギーに転換するというスピリチュアル・ヒーリングの理論の正当性を、証明することになりました。

「霊的エネルギー」と「経絡」の関係