(5)患者の身体内部での治療エネルギーの働き

治療エネルギーの取り入れ口

霊・霊の心・霊体・肉体の“接点”

人間は、宇宙と霊界に充満している神のエネルギーを「霊」から取り入れます。「霊」にある神のエネルギーの取り入れ口を“魂の窓”と言います。霊性が高い人はこの“魂の窓”が大きく開いているため、神のエネルギーを多く取り入れることができます。反対に霊性が低い人は“魂の窓”が少ししか開いていないため、神のエネルギーをあまり取り入れることができません。

地上人であれ、霊界人であれ、すべての人間は「神のエネルギー」を取り入れて生命エネルギーに変換し、その存在を維持しています。魂の窓から「霊」に取り入れられた神のエネルギーはステップダウンして「霊の心」に流れ込み、さらに「霊体」へ、そして「肉体」へと流れていきます。一方「霊の心」を満たした神のエネルギーは、「肉体本能」へも流れていきます。こうして人間の生命活動を支える神のエネルギーは、全身に行きわたることになるのです。

一般的に病人は“魂の窓”から神のエネルギーを十分に取り入れることができないため、全身が不調和状態に陥っています。理屈としては、患者自身が“魂の窓”を開いて神のエネルギーをたくさん取り入れることができれば病気は治ることになりますが、実際にはさまざまな原因によってそれができません。

そこで“治療”として、外部から治療エネルギーを投入することが必要となります。そうした治療の1つが「スピリット・ヒーリング」です。スピリット・ヒーリングも一般のスピリチュアル・ヒーリングも、外部から患者に治療エネルギーを与えることで病気を治そうとするものです。その際、治療エネルギーは“魂の窓”からではなく、次で述べるように別の箇所から患者の身体に入っていくことになります。

人間は、「霊・霊の心・霊体・肉体本能・肉体」から成り立っています。これらの5つの構成要素はすべて、同一場所に重なって(重複して)存在しています。すべての構成要素が重複構造となって一体化し、一個の人間を形成しているのです。そしてそれぞれの構成要素は、互いに影響を及ぼし合っています。上位の構成要素である「霊の心」が病めば、「霊体」や「肉体」にも異常が生じます。反対に肉体が病めば、「霊体」や「霊の心」も不調和状態に陥ってしまいます。

地上人を構成する各要素(霊・霊の心・霊体・肉体本能・肉体)は次元を異にして同一場所に重複して存在し、それらを結ぶ接点(接触点・合一点)があります。そうした接点(合一点)を、古代インド思想(ヨーガ)では“チャクラ”と呼んできました。古代インド思想を受け継いだ神智学でも同じ見解を示していますが、実際にはヨーガで教えてきたような独立した霊的器官としてのチャクラは存在しません。ヨーガで言うチャクラはどこまでも、地上人が頭の中で考え出したイメージにすぎません。

身体構成要素の“接点(合一点)”は、いくつかあります。その中で大きなものは頭部と腹部にあり、松果体と太陽神経叢がその位置にあたります。霊体と肉体はこの大きな接点を通してつながっていて、エネルギーの交換がなされています。幽体離脱体験や死の判定でしばしば問題となる“シルバーコード”は、太いものが2本ありますが、それらはこの頭部と腹部の接点(チャクラ)の位置に形成されます。

スピリチュアル・ヒーリングの話に戻りますが、外部(霊医・ヒーラー)から与えられた治療エネルギーは、患者の身体構成要素の接点から取り入れられることになります。

治療エネルギーの取り入れ口―霊・霊の心・霊体・肉体の接点

患者の身体に取り入れられた治療エネルギーの行方

治療エネルギーは、身体構成要素の接点(合一点)から患者の身体内部に入っていきます。治療エネルギーは、その取り入れ口となる接点から、すべての構成要素(霊・霊の心・霊体・肉体本能・肉体)にいっせいに流入することになります。

それ以前の闘病生活の苦しみを通して「カルマ」が清算されている(病気が治る時期がきている)場合には、接点から取り入れられた治療エネルギーは「霊」にまで達し、そこを満たして活性化させます。そして「霊」から全身にステップダウンして、それまでの不調和状態を一瞬のうちに解消させることになります。これがスピリット・ヒーリングによる“奇跡的治癒”のケースです。

スピリチュアル・ヒーリングにはさまざまな種類がありますが、その中で治療エネルギーが患者の「霊」にまで届き、全身を癒すことができる治療法はスピリット・ヒーリング以外にはありません。数あるスピリチュアル・ヒーリングの中で「スピリット・ヒーリング」だけが病気を完治させる可能性を持っているのは、こうした理由によります。

とは言っても今述べたことは理想であって、現実にはなかなかそうはいきません。患者に「カルマ」という問題がある場合には、治療エネルギーは「霊」や「霊の心」にまでは届きません。カルマが残っていると、治療エネルギーは「霊体」や「肉体」レベルにとどまり、そこを部分的に癒すことしかできません。そうした部分的治癒も一時的なもので、いずれ元の状態に戻ってしまいます。病気の根本原因(カルマ)が解消されていないため、遅かれ早かれ全身が不調和状態に陥り、病気がぶり返すようになってしまいます。