(4)ヒーラーから患者への治療エネルギーの伝達
第2ステップのスピリット・ヒーリング
「第1ステップのスピリット・ヒーリング」から「第2ステップのスピリット・ヒーリング」へ
霊界の霊医たちによる治療エネルギーの実験過程で、患者の病気が治ってしまうことがあります。その際、ヒーラーは霊界の総合病院の受付係の役割を果たしただけで、直接治療には携わっていません。スピリット・ヒーリングではしばしば、こうした奇跡的治癒が発生します。これが「第1ステップのスピリット・ヒーリング」です。地上のヒーラーを介さない「霊医による直接的なスピリット・ヒーリング」です。
第1ステップのスピリット・ヒーリングによって、常に奇跡的治癒が起きればよいのですが、実際には理想どおりにはいきません。霊医による直接的なスピリット・ヒーリングで病気が完治するケースは、割合としてはさほど多くはありません。
それには、いくつかの理由が挙げられます。まずは、患者の「カルマ」の問題です。患者にカルマが残っていると、霊医からの治療エネルギーを十分に受け取ることができないのです。また、治療エネルギーの“霊的純度”の問題もあります。霊医たちがつくる治療エネルギーは霊的純度が高すぎるため、そのままでは患者の身体にうまく適応できません。そこで「第2ステップのスピリット・ヒーリング」の登場となります。「地上のヒーラーを介して治療エネルギーを伝達する」という、次の段階のヒーリングです。
物質的要素を加えた治療エネルギー
“変圧器”としてのヒーラーの役目
「第1ステップのスピリット・ヒーリング」と「第2ステップのスピリット・ヒーリング」の違いは、地上のヒーラーが媒介するヒーリングかどうか、という点にあります。第1ステップのスピリット・ヒーリングでは、霊医団から直接、患者に治療エネルギーがもたらされますが、第2ステップのスピリット・ヒーリングでは、治療エネルギーはいったん地上のヒーラーに届けられ、ヒーラーを中継して患者にもたらされることになります。
第1ステップのスピリット・ヒーリングによって患者に届けられる治療エネルギーは、霊医がつくり出したきわめて霊的純度の高いエネルギーであるため、物質の身体(肉体)に包まれた患者は十分に取り入れることができません。そこでいったん地上のヒーラーの身体を通過させ、物質性が加わった治療エネルギーに変換してから患者に与えることになります。霊的純度が下がった治療エネルギーは、患者にとって受け入れやすいものに変化しています。それによって霊医から送られた治療エネルギーは患者の身体に取り入れられ、治療が進行していくことになるのです。これが「第2ステップのスピリット・ヒーリング」です。
第2ステップのスピリット・ヒーリングでは、「霊医団」→「ヒーラー」→「患者」というプロセスで治療エネルギーが送られます。霊医によってつくられた治療エネルギーはヒーラーの身体を通過することで霊的純度が下がりますが、それは高い電圧を低い電圧に変換することと似ています。ヒーラーは、電圧を下げる“変圧器”のような存在と言えます。霊医がつくった霊的純度の高い治療エネルギーを患者が受け入れやすい物質性を帯びた治療エネルギーに変換することが、ヒーラーの役割なのです。
第2ステップのスピリット・ヒーリングにおける「2つの問題」
ヒーラーの身体を通過する際に物質性が加わることで、霊医からの治療エネルギーは患者が受け入れやすいものに変化します。ヒーラーの役割は、そのままでは患者にとって受け入れにくい治療エネルギーの霊的純度を下げ、受け入れやすいものにすることです。
しかし、こうした地上人(患者)向けになった治療エネルギーであっても、常に患者の身体に入っていくとは限りません。いったんは入ったかのように見えても、深部にまでは十分に浸透していかないといった事態も生じます。
霊医の治療エネルギーがヒーラーを介して患者に届けられるプロセスでは、ヒーラー自身の内容による制限と患者自身の内容による制限という「2つの問題」が発生します。
ヒーラーが原因となる「治療エネルギー伝達の制限」
ヒーラーは一人一人、「霊性レベル(霊的成長の度合い)」が違っています。高い霊性の持ち主であれば、霊医がつくった質の高い治療エネルギー(霊的エネルギー)を十分に受け入れ、それに物質性を加えて患者に与えることができます。しかし、霊性が低いヒーラーの場合には、低いレベルの治療エネルギーしか受け入れることができません。せっかく霊医団が最高の治療エネルギーをつくっても、ヒーラーがその一部分しか身体を通過させることができないなら、治療範囲と治療効果は大幅に減少することになってしまいます。ヒーラーは、自分よりも霊性の高い患者の治療に役立つ治療エネルギーを提供することはできないのです。
このように霊医からの治療エネルギーを最初に受け取る立場にあるヒーラーの「霊性」によって、どの程度まで治療エネルギーを患者に与えることができるかが決定されることになります。ヒーラーは、自分よりも霊性の高い患者の治療にあたることはできません。霊性が自分と同等の患者か、自分よりも低い患者の治療しかできません。これは「ヒーラーの霊性が高まれば、それに応じて扱える患者の幅が広がり、より多くの患者を治療することができるようになる」ということを意味しています。
今後は、一定の霊性に至った患者が「スピリット・ヒーリング」に惹き付けられ、治療を受けるようなっていきます。霊性が高い患者の治療を行う可能性が拡大していくようになります。スピリット・ヒーリングが、人類の霊性進化を促すことを目的とする“スピリチュアリズム運動”の一環として展開されている以上、必然的にそのようになっていくのです。今後、地球人類の霊性が向上していくにともない、質の高いスピリット・ヒーリング――「霊的真理の伝道」に直結したスピリット・ヒーリングが中心となっていきます。
患者が原因となる「治療エネルギー受容の制限」
治療エネルギーの受容において一番重要なことは、患者自身の霊的な内容、すなわち「霊性」と「カルマ」の問題です。ヒーラーの身体を通過することで地上人向けに調整された(物質性が加わった)治療エネルギーであっても、患者にそれを受け入れるだけの条件が整っていなければ役に立ちません。
霊医からの治療エネルギーの伝達においては主としてヒーラーの「霊性」が問題となりますが、ヒーラーから与えられる治療エネルギーの受容については、患者自身の「霊性」と「カルマ」が問題となります。患者の「カルマ」が清算されていないかぎり、第1ステップのスピリット・ヒーリングも、第2ステップのスピリット・ヒーリングも病気を完治させることはできないのです。この意味で「スピリット・ヒーリングの効果を決定する最大の要因は、患者自身にある」ということになります。
患者が、いまだカルマ清算のプロセスにあるときには、どのような治療を受けても病気は治りません。カルマを清算するために病気の苦しみを体験している間は、部分的な治癒が起きることはあっても、病気が完治するようなことはありません。本人の霊的成長にとって必要なものとして「神の摂理」によって病気が生じている以上、いかなる手段を持ってしてもそれを取り除くことはできないのです。
スピリット・ヒーリングを受けても効き目がなかったという場合には、さまざまな理由が考えられますが、その最大の理由は患者本人の「カルマ」です。カルマが残っているために、せっかく治療エネルギーが与えられても完治にまで至ることができないのです。