〈本章のポイント〉
◎大半のヒーラーは霊的に未熟で、多くの煩悩を持っています。“煩悩”とは――「心が肉体本能に支配され、肉体本能の快楽を貪欲に追い求める傾向(状態)のこと」を言います。具体的には“金銭欲(物欲)・名声欲・権勢欲”というこの世の富を貪り求めることです。
◎大半のヒーラーは、人々への奉仕を願ってヒーラーとして歩み始めたわけではなく、この世の富を求めるところから出発しています。“エゴまみれ・煩悩まみれ”の不純な動機からヒーラーの道を歩み出しています。
◎煩悩に流され、実際に利己的な行為をするようになることが“堕落”です。ヒーラーの堕落は、“ウソ”をついて人々を騙すところから始まります。多くの者たちが、本当はヒーリング能力・霊能力がないにもかかわらず、さも本物のヒーラーや霊能者であるかのようにウソの自己宣伝をしています。世の中にはこうした“ニセモノ”があふれています。
◎ヒーラーや霊能者のもとには、低俗な好奇心に駆られた霊的無知な人々が群がります。それがヒーラー・霊能者の虚栄心をくすぐり、煩悩を刺激し、彼らの堕落に拍車をかけることになります。一方、出版業者やメディア関係者は、ヒーラー・霊能者を利用して自分たちの利益を得ようとします。出版業者・メディア関係者とヒーラー・霊能者は共通の利害関係にあり、双方が共謀して大衆を騙し、利益を追求しています。
◎最近ではヒーラーや霊能者の間で競争が激しくなり、患者や客の奪い合いが始まっています。こうした状況の中で勝ち抜くためには、他のヒーラーや霊能者よりも自分の方が優れていることをPRし、差別化を図らなければなりません。ヒーラー・霊能者の間で差別化をめぐって熾烈な駆け引きが展開しています。
◎差別化競争に成功すれば、それだけ多くのこの世の富(金銭・人気・権力)を手にすることができるようになります。差別化競争では――「霊能力・道徳的教訓・霊的知識」の3点セットを持ち出すことで勝利を得ることができるようになります。知能犯的なニセヒーラーやペテン霊能者は、こうした方法によって世俗的成功を収めています。
◎今後、スピリチュアリズムが普及していくにともない「霊能力・道徳的教訓・霊的知識」の3点セットは、ヒーラー・霊能者が生き残るために不可欠なものとなります。スピリチュアリズムの「霊的真理・霊的知識」を利用することが日常的に行われるようになります。
スピリチュアリズムの霊的真理は、人類の“霊的救い”のために霊界側が苦労して地上にもたらしたものです。それを“人騙し”の手段として用いることは、最も悪質な罪を犯すことです。そうしたニセヒーラー・ペテン霊能者は死後、自らの不正を償うために地獄の苦しみを味わうようになります。
◎ニセヒーラー・ペテン霊能者が、スピリチュアリズムの霊的真理・霊的知識を利用して巧妙に大衆を騙しても、いつまでもその不正を続けることはできません。
スピリチュアリズムの霊的知識が公開されている状況下では、スピリチュアリズムを私利私欲のために利用しようとする不正は、時間とともに暴露されるようになっていきます。「スピリット・ヒーリングは無償の奉仕活動である」との認識が広まるにともない、霊的知識を悪用した金儲けは一切通用しなくなります。治療費を要求するヒーラーは、すべて“ニセモノ”と見なされるようになるからです。