2)スピリット・ヒーリングと将来の医学

スピリチュアリズムによる“医学革命”

将来の医学の中心となっていくスピリット・ヒーリング

新しいスピリチュアル・ヒーリング(スピリット・ヒーリング)の登場は、それまでのスピリチュアル・ヒーリングのレベルを一気に引き上げたばかりでなく、病気治療や健康に関する多くの霊的知識を地球人類にもたらしました。そうした霊的知識は、これまで漠然と不思議な治療法・奇跡的な治療法とのみ認識されてきた心霊治療(スピリチュアル・ヒーリング)に理論的な光をあてることになりました。これによって心霊治療の全体が明確にされ、理論的に体系化されることになりました。

このように新しいスピリチュアル・ヒーリング(スピリット・ヒーリング)は、それまでの心霊治療に革命的変革をもたらしましたが、実はその影響は、心霊治療の領域を越えて医学界にも及ぶことになります。スピリット・ヒーリングは、地球上の医学に対して大きな影響力を持ち、近い将来、医学の中心的な地位を占めていくようになります。

西洋医学は、科学の発展とともに地球上を席巻することになりました。しかしその西洋医学は、20世紀半ば以降に大きな転換期を迎えました。こうした動きに決定的な役割を果たしたのがホリスティック医学や代替医学の登場です。

ホリスティック医学は、それまでの唯物的な西洋医学を批判し、新しい医学の方向性を模索しました。そうした中で、従来の唯物医学の思想的側面や治療に徐々に変化が見られるようになってきました。19世紀以降、主流の座を占めてきた西洋医学は、最近になって唯物主義一辺倒の方向性を抜け出て、精神(心)を重視する方向を志向するようになりました。将来的には、現在の西洋医学はホリスティック医学の中に取り込まれ、その中で一定の位置を占める形で生き延びることになるでしょう。スピリット・ヒーリング(新しいスピリチュアル・ヒーリング)は、このホリスティック医学の中心的な立場に立つ可能性を持っているのです。

スピリット・ヒーリングが世間に広く知られ、その医学的価値と卓越性が人々に認識されるようになるには、この先、長い期間が必要とされます。しかし今後、スピリット・ヒーリングの存在が知れわたるようになるにともない、それは間違いなく地球上における最強の医療の1つとなっていきます。霊的観点から見たとき――「スピリット・ヒーリングに優る根源的な治療法はない」と断言できます。なぜならスピリット・ヒーリングほど、人間の身体の仕組みや健康の原理や病気の原因、また治療法の本質と限界を明らかにしているものはないからです。スピリット・ヒーリングほど、人間の身体観や健康観・病気観・治療観に対して深い洞察を持っている治療法はありません。

宗教と医学を統合するスピリット・ヒーリング

さらに重要な点は――「スピリット・ヒーリングは、宗教と医学を結びつけ統合する可能性を持っている」ということです。現在の先進諸国では、大半の人々が“宗教と医学は対立するもの”と考えています。西洋医学の医者が心霊治療を認めるようなことは、ほとんどありません。「死の問題・死後の問題・霊の問題」は宗教の専門的な分野であって、医学が関与するものではないとされ、宗教と医学の間には明確な一線が引かれてきました。

しかし、スピリット・ヒーリングは“治療”という医学的行為と、「死の問題・霊の問題」という宗教的テーマを同一線上で扱い、それらを関係づける方向性を示しています。スピリット・ヒーリングは、現時点のホリスティック医学や代替医学が欠落させている「死の問題・霊の問題」に明確な解答を与えています。

スピリット・ヒーリングは、実際の治療行為とその結果を通して、スピリチュアリズムの霊的知識・霊的思想の正当性を証明します。こうした実証プロセスによってスピリット・ヒーリングは、宗教的テーマと医学のテーマを同一線上で扱い、宗教と医学の統合化の方向性を示しています。スピリット・ヒーリングは、近世以降、地球人類の中で分裂してしまった宗教と医学を高次元において再統合する道となるのです。

スピリット・ヒーリングは、将来の「霊医学」

スピリット・ヒーリングでは、死も病気もそれほど重大なこととは考えていません。人間にとって“死”は人生の終わりではなく、霊的人生の出発点であり、肉体の苦痛から解放してくれるありがたいものと考えます。あるいは、辛い地上人生を歩み通したご褒美として神から与えられるプレゼントと見なします。死とは、霊の道具である肉体がその役目を終えて大地に返ることであり、死後、人間は肉体の代わりに霊的身体(霊体)をまとって霊界で永遠の人生を過ごすようになります。その意味で“死”は、何ひとつ恐れるものではなく、むしろ喜ばしい出来事と言えるのです。

スピリット・ヒーリングでは“病気”についても、悪いものとは考えていません。病気は、それ以前に犯してしまった「神の摂理」への違反を償うために摂理の働きによって自動的に発生したものであって、人生をやり直すためのチャンスと捉えます。病気を招いてしまったのは自分自身であり、すべては自業自得の結果なのです。病気は確かに辛いものですが、それは同時にこれまでの生き方の間違いを修正し、新たな人生を歩み始めるためのチャンス・霊的浄化のチャンスとなります。霊的成長の道をリセットし、摂理にそったより良い生き方を求めるきっかけとなる病気の体験は“神の愛”の反映と言えるのです。

このようにスピリット・ヒーリングは、従来の医学やホリスティック医学とは全く違った観点から“死”と“病気”について考えるのです。

こうしたスピリット・ヒーリングの思想的特異性は、すべて“スピリチュアリズム”に由来します。スピリット・ヒーリングは、スピリチュアリズムよってもたらされた霊的知識・霊的思想を土台としてその上に築かれた医学です。スピリット・ヒーリングは「死後の世界の実在」と「魂の永遠性」、そして「霊界にいる霊は地上世界に向けて働きかけることが可能であること」を前提として成立している、他のスピリチュアル・ヒーリングとは全く次元の異なる医学です。スピリット・ヒーリングは、“唯物医学”と言うべき現在の医学とは対極に位置する医学なのです。スピリット・ヒーリングについて一言で表現するなら――将来の「霊医学」と言うことができます。

ホリスティック医学の中で中心的位置を確立

スピリット・ヒーリングには、地球人類にとって現時点では、すぐには理解できない霊的知識・霊的内容が多く含まれています。そのため唯物思考に固まった人々は、なかなか受け入れることができません。

しかし、スピリット・ヒーリングの主張する世界が真実である以上、今後、地球人類の霊性の高まりとともにその内容の正しさが理解され、卓越性が認められるようになっていきます。そしてスピリット・ヒーリングは徐々に、「ホリスティック医学」の中心的立場に立っていくようになります。そうした段階に至るまでには今しばらく時間がかかりますが、それほど遠くない将来にスピリット・ヒーリングは、「ホリスティック医学」の中で確固たる地位を占めるようになることでしょう。