〈本章のポイント〉

◎一般のスピリチュアル・ヒーリングとスピリット・ヒーリングでは、誰が治療をするのかという「治療の主役」において根本的な違いがあります。

スピリット・ヒーリングでは、「霊医(スピリット・ドクター)」と呼ばれる霊界のスピリットが治療を行います。霊医たちの中には地上時代を医者や治療家として歩んだ者がいて、霊界に入ってからさらに多くの医学的知識を身につけています。地上のヒーラーは、この「霊医の道具」として治療に参加することになります。地上のヒーラーはどこまでも、霊医の助手の立場にあります。

◎スピリット・ヒーリングを進める「霊医(スピリット・ドクター)」は、1人で治療を行うのではありません。常に複数の霊医がチームを組み、共同で地上人の治療にあたります。こうした霊医(スピリット・ドクター)のグループを「霊医団」と呼びます。

霊医団は普通、数十人から数百人の霊によって形成されていますが、時にはそれ以上の数にのぼることもあります。まさに霊医団は、多数の専門医が集結した「霊界の大総合病院」と言えます。こうした霊医団が地上の1人の患者のために知力と霊力を傾け、協力して治療にあたります。

◎一般のスピリチュアル・ヒーリングとスピリット・ヒーリングでは、治療の主役だけでなく、治療に用いられる「治療エネルギー」という点においても根本的に異なります。

スピリット・ヒーリングでは、霊医団によって患者に関するありとあらゆる情報が集められ、それをもとに一人一人の患者に相応しい治療エネルギーがつくり出されます。そのためスピリット・ヒーリングでは、完璧ともいえる徹底した“オーダーメイド”の治療が可能となります。

◎霊医たちは、一人一人の患者のために力を結集し、試行錯誤を重ねて「治療エネルギー」を開発します。「神のエネルギー」はどこまでも、治療エネルギーの材料です。材料である神のエネルギーと、霊医が総力をあげてつくり出した治療エネルギーでは、蒸留水と薬品ほどの違いがあります。

◎スピリット・ヒーリングで用いられる治療エネルギーは、霊医がつくる「スピリット・エネルギー」です。それに対して、一般のスピリチュアル・ヒーリングでは、地上のヒーラーが持つ「生体エネルギー」が治療エネルギーとして用いられます。生体エネルギーには、2種類あります。1つはヒーラーの霊体にある「サイキック・エネルギー」、もう1つはヒーラーの肉体にある「マグネティック・エネルギー(生体磁気エネルギー)」です。

つまり、スピリチュアル・ヒーリング(心霊治療)で使用される「治療エネルギー」は、3種類あるということです。

◎3種類の治療エネルギーの中で「スピリット・エネルギー」だけが、患者の「霊」の領域にまで届いてそこを活性化させることができます。これはスピリット・エネルギーを用いる「スピリット・ヒーリング」だけが、患者の病気を根本から治癒させる可能性を持っているということを意味しています。スピリット・ヒーリングは、「霊」を含む人間のすべての構成要素を活性化させ、全身の不調和状態を改善する力を持っているのです。

◎スピリチュアル・ヒーリング(心霊治療)は、使用する治療エネルギーの違いによって3種類に分類されます。スピリット・エネルギーを用いる「スピリット・ヒーリング」、サイキック・エネルギーを用いる「サイキック・ヒーリング」、マグネティック・エネルギーを用いる「マグネティック・ヒーリング」の3つです。

世間一般で行われているスピリチュアル・ヒーリングの大半は、サイキック・ヒーリングかマグネティック・ヒーリング、あるいはそれらを併用したヒーリングです。

◎スピリット・ヒーリングは、地上のヒーラーが「霊医の道具」となることによって実現します。しかし別のヒーリングに携わっているヒーラーであっても、本人の霊性・人間性・奉仕性が優れている場合には、無意識のうちに「霊医の道具」となってスピリット・ヒーリングを行っていることもあります。しかしこうしたケースは例外的で、稀にしか存在しません。

◎治療エネルギーとしては、スピリチュアル・ヒーリングで用いられる3種類の治療エネルギー以外にも、さまざまな種類があります。その代表が動物や植物の生命エネルギー(生体エネルギー)を用いるものです。患者は生命エネルギーが枯渇し、全身の霊的エネルギー循環が不順に陥っています。動物や植物の生命エネルギーの一部を患者に与えることによってエネルギーが補充され、部分的ではあっても治療効果がもたらされるようになります。

また、動物や植物以外の物質(鉱物)にも、ある種の治癒エネルギーが含まれています。それを上手に取り入れることで、わずかではあっても治療効果がもたらされるようになります。

◎スピリチュアル・ヒーリング(心霊治療)では、先に述べた3種類の治療エネルギーを用いて患者の治療にあたります。ところが世の中には、「自分のヒーリングは神のエネルギーを直接治療エネルギーとして用いるため、特別に効果が高い」と豪語するヒーラーがいます。

しかし「神の摂理」によってすべてが支配されている世界にあって、神のエネルギーを直接治療エネルギーとして患者に与えることはできません。神のエネルギーは治療エネルギーの材料であり、そのままでは治療エネルギーにはなり得ません。「神のエネルギーを用いて特殊なヒーリングを行う」と大言壮語するヒーラーは、野心に駆られ、金銭や名声を得たいという不純な動機から人々を騙そうとする“ニセモノ”です。