3.スピリット・ヒーリングの本質

「高次元の宗教」と「高度のホリスティック医学」の合体

スピリチュアル・ヒーリング、特に「スピリット・ヒーリング」の本質は、宗教と医学の高次元レベルでの統合ということです。シャーマニズム医術が、原始レベルの宗教と未熟な医学の合体形式であるとするなら、スピリット・ヒーリングは、文明時代における高次元の宗教と高度のホリスティック医学の統合体と言えます。

すでに述べたようにスピリット・ヒーリングは、霊界に医者がいて地上の患者の病気を治療するという、きわめて具体的な霊魂観に立った医療です。地球上の宗教を見わたしても、スピリット・ヒーリングほど明確な霊魂観を主張している宗教はありません。スピリット・ヒーリングは、見方を変えるならば、治療や医学を手段として霊魂の存在を証明しようとする宗教的努力の1つと言えます。医学を利用して人々に霊魂のあることを納得させようとする「宗教的な啓蒙活動」と言えます。

もしスピリット・ヒーリングによって実際に病気が治るとするならば、それまで唯物的な考え方しかできなかった患者も、偏見を捨て去って霊の存在を受け入れるようになるかもしれません。スピリット・ヒーリングをきっかけにして、人生観・価値観が大きく変わることになるかもしれません。肉体ばかりでなく、魂の救いをも手に入れるようになるかもしれません。こうした意味でスピリット・ヒーリングは、まさに「高次元の宗教」と言えます。名称は“ヒーリング”であっても、そこにはいかなる宗教にも増して純粋な宗教的内容がともなっています。

一方、スピリット・ヒーリングを医学の視点から見るならば、これまで述べたように「高度のホリスティック医学」ということになります。したがってスピリット・ヒーリングは――「高次元の宗教」と「高度のホリスティック医学」を見事に一体化させたものと言えるのです。

近代以降、中世のキリスト教の束縛から放たれた人類は、人間の理性に尊厳を見い出すことで科学と宗教を分離させ、物質文明を発展させてきました。その結果、科学が宗教を凌駕りょうがする時代を迎えることになりました。近世以降、科学と宗教は対立関係にありましたが、スピリット・ヒーリングの出現によって、それが再び対等の立場で統合される可能性が出てきたのです。医学にとっても宗教にとっても、スピリット・ヒーリングの登場は、大きな衝撃と変革をもたらすことになります。