(3)きわめて悪質なヒーラー・霊能者の詐欺行為

霊的真理と道徳的教訓を語って巧妙に大衆を騙す、これからのニセヒーラーとニセ霊能者

1)必死に差別化を図るニセヒーラー・ニセ霊能者たち

ヒーラー間での患者の奪い合いと、自己宣伝による差別化

あちらこちらで占い師や風水師・占星術師が乱立すると、業者間の競争が激化し、中には経済的に苦しくなる者が現れるようになります。ヒーラーや霊能者の間でも、激しい競争が展開され、患者や客の奪い合いが生じるようになります。年々、新しいヒーラーや霊能者が登場する時勢にあっては、他のヒーラーや霊能者との差別化を図ることが必要になります。

「自分のヒーリングは他のヒーリングよりも治癒率が高い」「自分は他の霊能者よりも霊能力が優れている」といった宣伝文句を至る所で目にします。ヒーラーや霊能者たちは、いかにして自分の治療能力(霊能力)の優秀さを人々にPRすべきかに苦心しています。インターネットを少し眺めるだけで、そうしたヒーラーや霊能者の実情が手に取るように伝わってきます。情報が自由に行き交うネット時代の現在では、自分をいかに差別化してPRするかが、ヒーラー・霊能者としての成功・不成功を決定することになります言うまでもありませんが、ネット上で自己PRに走っているヒーラー・霊能者の大半はニセモノです)

必死に自己の卓越性をアピールし、できるだけ多くの患者(客)を獲得しようとしているヒーラーや霊能者の姿は、私利私欲に駆られて違法な経営を続ける悪徳業者に似ています。ヒーラーや霊能者たちは、商業主義の中で生き残りをかけて激しい競争を展開しています。お金と人気を獲得しようと、しのぎを削っているのです。そうした中で、一部の目敏い(めざとい)ニセヒーラー・ニセ霊能者が上手に差別化を図り、成功を収めることになります。

究極の差別化

霊能力・道徳的教訓・霊的知識の3点セット

激しい競争の中では、これまでのような単純な自己PRだけでは、大衆の注目を集めることはできません。また、下手なウソではすぐに見透かされ、相手にされなくなってしまいます。これからのヒーラーや霊能者は、従来のような治癒率や霊能力のPRだけではやっていけなくなります。簡単に見破られるようなウソでは通用しなくなります。一般大衆を騙すポイントは、小さな差別化ではなく、大きな差別化を図ることです。それなくしては大きな成功(?)を達成することはできません。大衆の心を強力に惹き付けて離さないような特別な差別化が必要になるのです。

こうした中で、大胆な差別化の必要性を認識した狡猾なニセヒーラーやニセ霊能者が新たに用いる手口が、霊能力のPRに道徳的教えとこれまで誰も知らなかった霊的知識を付け加えるというものです。霊能力・道徳的教え・専門的な霊的知識をセットにするということです。実際には大した霊能力がなくても、さも卓越した霊能力があるかのようにPRし、それと同時に道徳的な教訓・正しい生き方を説き、さらに霊的知識を用いて霊的世界や心霊現象についての詳細な解説をします。

この「霊能力・道徳的教え・霊的知識」の3点セットは、まさに究極の差別化の手法で、大抵の人は間違いなく騙されるようになります。一般大衆はその霊能者を本物と思い、人間的にも知性的にも優れた霊能者であると信じるようになります。ここにおいて他の霊能者との差別化が完全に成功することになります。他の霊能者がどれほど上手に自己PRしても、こうした知能犯的な“ペテン霊能者”にはとうてい太刀打ちできません。

2)将来のニセヒーラーとペテン霊能者

私利私欲のためにスピリチュアリズムを利用する最も悪質な犯罪者

スピリチュアリズムの霊的知識が、ヒーラー・霊能者にとって不可欠となる

今後、スピリチュアリズムが世界中に普及し、霊的知識が地上人類の中に行きわたるにともない、霊的知識のないヒーラーや霊能者は自然淘汰されていくようになります。昔ながらの時代遅れの死生観や他界観を説く伝統宗教が現代人(特に若者)からそっぽを向かれているように、霊的知識のないヒーラー・霊能者は相手にされなくなります。

これからの時代においては、スピリチュアリズムによってもたらされた霊的知識を知っていることが、ヒーラー・霊能者としてやっていくための必須条件となります。スピリチュアリズムの霊的知識を上手に用いて自己PRすることが、ヒーラー・霊能者の生命線になります。「霊能力」と「道徳的教え」とスピリチュアリズムの「霊的知識」が、ヒーラー・霊能者にとって不可欠の3点セット、常套手段となるのです。

それは将来のニセ霊能者は、現在のニセ霊能者と比べ格段に巧妙になり、ウソの手口を見破るのが難しくなるということを意味しています。

スピリチュアリズムの霊的知識を利用する最も悪質な詐欺

ニセヒーラー・ペテン霊能者が犯す罪の中で、最も悪質なものはスピリチュアリズムの「霊的真理」を自らの不正行為のために利用することです。ペテン霊能者は偽りの霊能力を演出するだけでなく、その詐欺行為を最も神聖な霊的知識を用いてカムフラージュしようとします。これは、一般のニセ霊能者と比べてはるかに大きな罪を犯すことです。スピリチュアリズムの「霊的真理」の素晴らしさを知り、その威力を知ったうえで悪用することは、最もエゴ性が強い悪質な罪と言えます。

スピリチュアリズムを利用するニセヒーラー・ペテン霊能者の“死後の後悔”

霊的真理を用いて人々を騙し、私利私欲を追求することは、人間として“最大の罪”を犯すことです。当然、死後にはそれに相応しい“罰”を受けることになります。人類の救いのためにもたらされたスピリチュアリズムの霊的真理を悪用した罪、その価値を知って意図的に犯した罪は、霊界にいってから大勢の霊の前で暴露され、たいへんな自責の念と懺悔の苦しみをもって償わざるを得なくなります。また再生時には、その罪の大きさに見合った苦しみの体験をすることになります。

霊的視点から見れば、そうした愚かな生き方しかできない“ペテン霊能者”は、本当に哀れとしか言いようがありません。せっかくの霊的宝をドブに捨て、神の摂理に背いて悪事を働き、この世かぎりの利益を得ようとするのは何と愚かなことでしょうか。神の摂理を欺けるとでも思っているのでしょうか。

シルバーバーチは、次のように述べています。

「誰が何をしようと、その代償は地上にいる間か、こちらの世界へ来てから支払うことになります。いかなる行為、いかなる言葉、いかなる思念も、それが生み出す結果に対しては、その人自身が責任を負うことになっており、絶対に免れることはできません。」

『The Spirit Speaks』

「そういう人たちは必ず罰を受けるのです。いつかは自分で自分を罰する時がくるのです。(中略)私の目には、いずれ彼らが何世紀もの永い年月にわたって受けるべき苦しみが見えるのです。暗闇の中で悶え苦しむのです。その中で味わう悔恨の念そのものが、その人の悪業にふさわしい罰なのです。」

『The Spirit Speaks』

大衆を騙し続けることはできない

将来においては、ニセヒーラーとペテン霊能者の不正(人騙し)の手口は、さらに巧妙化していきます。しかし、どれほど上手に本物を装ったとしても、ニセモノはどこまでいってもニセモノでしかありません。一時的に無知な大衆を騙すことはできても、ウソは時間とともに暴露されていくようになります。金メッキがやがて剥がれ落ちるように、羊の皮をかぶった狼の正体は、いずれ暴かれるようになるのです。

「本物のスピリット・ヒーリングは無償の行為であり、治療費を要求するものではない」との認識が社会一般に浸透するようになるにともない、ニセヒーラーは誰の目にも明らかになります。当然、治療費を取りながら「スピリット・ヒーリング」を謳うようなことはできなくなります。いくらきれい事を口にしても、実際の行為が“ニセモノ”であることを示しています。このようにしてニセのスピリット・ヒーラーの働き場はなくなっていきます。同様にニセ霊能者も徐々に働き場がなくなり、社会から駆逐されていくようになります。