第2章

なぜ、ニセヒーラーは金儲けに奔走するのか?

ヒーラーの煩悩と堕落化の実態

ヒーラーも世間の人々も、ヒーリングは治療費を払って受けるのが当たり前と思っています。病気で苦しむ人が、最後の頼みの綱としてスピリチュアル・ヒーリングを望むことがあります。こうした人は、病気が治るなら、どれほど治療費が高くてもかまわないと思います。まして有名なヒーラーの治療を受けられるなら、治療費が高いのは当然と考えます。人々がそのように思っているため、ヒーラーも治療費を要求することに何の疑問も感じません。ヒーリングを無償でやるようなことはたまのボランティア活動ならともかく、生涯にわたって続けることは不可能であると思っています。結論を言えば、そうしたヒーラーたちの考え方は間違いです。

第1章では、スピリチュアリズム運動の一環である「スピリット・ヒーリング」は、どこまでも無償の行為として、純粋なボランティアとして行うべきであることを述べてきました。こうした考え方は、従来のスピリチュアル・ヒーリングや世間一般の治療の常識を根底から覆すものです。しかし、お金を取らない無償の奉仕であってこそ「本物のスピリット・ヒーリング」と言えるのであり、そうでないかぎりスピリット・ヒーリングの目的を達成することはできません。スピリット・ヒーリングは一般のスピリチュアル・ヒーリングや他の治療とは異なり、営利を目的としたものではありません。“人類の霊的救い”のために霊界のスピリットが“主役”となって展開している、きわめて特殊なヒーリングなのです。

金儲け・営利目的から出発したヒーリングは、本物のスピリット・ヒーリングになることはできません。「無償の奉仕・純粋な利他愛の行為」であって初めて霊界のスピリットの全面的な協力を得て、スピリット・ヒーリングが実現するようになるのです。本物のスピリット・ヒーラーかどうかは、治療費に対する姿勢から簡単に判別することができます。高額の報酬を要求するヒーラーは、すべて“ニセモノ”ですただし患者がお礼として自発的に申し出たものについては、この限りではありません)

残念ながら、現在“スピリット・ヒーラー”を自称する95%以上の人間は、霊界が認めることのない霊的に価値のない者たちです。スピリット・ヒーラーは「霊界の道具」として、金銭や名声・権力に超然としていなければなりません。常にこの世的・物質的な損得とは無縁でなければなりません。しかし大半のヒーラーは金儲けに貪欲で、この世の富の追求に奔走し、本来の立場を逸脱して醜い存在に堕ちてしまっています。本章ではこうしたヒーラーや霊能者の「煩悩と堕落の問題」を取り上げます。

第1章では、なぜ本物のスピリット・ヒーラーがほとんどいないのかを見てきましたが、ここでは「なぜヒーラーの多くが本物になれないのか?」――その根本的な理由をヒーラーの内面から探り、明らかにしていきます。

本章の内容は次のようになっています。