(1)スピリット・ヒーリングの治療領域と治療効果

スピリット・ヒーリングの「治療領域理論」

スピリット・ヒーリングが他に類のない優れた治療法であるとするなら、それに見合った治療効果が現れるはずです。ここではスピリット・ヒーリングの治療の可能性について、またスピリット・ヒーリングの実際の治療結果について見ていきます。

スピリット・ヒーリングの治療効果と治療結果に関する理論を「治療領域理論」と言います。

1)スピリット・ヒーリングの治療領域

治癒は、霊から下位の構成要素へ

ヒーラーを介してもたらされた治療エネルギーは、患者の身体構成要素の接点(合一点)から取り入れられ、「霊」をはじめとする各構成要素に行きわたることになります。スピリット・ヒーリングの特筆すべき点は、他の治療法では不可能な患者の「霊」にまで治療エネルギーが届き、そこを充電し活性化することができるということです。患者の「霊」の領域を癒すことは、一般のスピリチュアル・ヒーリングではできません。「霊」を満たした治療エネルギーは、「霊の心」「霊体」「肉体本能」「肉体」へとステップダウンし、各領域を活性化して全身の不調和状態が根本から正されることになります。

人間は、複数の構成要素が重層する形で成り立っています。そして“治癒”は常に、上位の構成要素から下位の構成要素へと進展していきます。すなわちまず「霊」が癒され、続いて「霊の心」「霊体」「肉体」という順で癒されていきます。こうして身体全体が正常化し、病気が治癒することになるのです。

一般の人々にとって“病気”とは、肉体の異常を意味していますが、肉体が病んでいるときには必ず「霊」も「霊の心」も「霊体」も病んでいるのです。人間を肉体だけの存在と考える“唯物医学“には霊的観点に立った病因論がないため、物質的身体(肉体)に現れた症状を取り除くことだけに意識が向けられています。

スピリット・ヒーリングによる“奇跡的治癒”

スピリット・ヒーリングが驚異的な治療効果を発揮するのは、人間の最も上位の構成要素である「霊」の異常を正常化する力を持っているからです。スピリット・ヒーリングが理想的な形で進むとき、長年にわたる病気が一瞬にして完治することになります。患者の「霊」から「肉体」に至るすべての領域の不調和状態が瞬間的に正され、“奇跡的治癒”が生じることになるのです。

こうした奇跡的治癒(完治)のケースでは、あとで病気がぶり返すようなことはありません。

患者サイドの条件によって左右される治療効果

スピリット・ヒーリングは、全身の不調和状態を一瞬にして正し、病気を完治させる可能性を持っています。しかし実際には、そうした理想どおりに進んでいくケースは、さほど多くはありません。スピリット・ヒーリングを受けたら、必ず奇跡的治癒が起きるというわけではないのです。

それには、さまざまな理由があります。すでに述べてきましたが、患者に「カルマ」が残っている場合には、治療エネルギーは「霊」の領域には届かないため、“部分的治癒”にとどまってしまいます。スピリット・ヒーリングの治療効果を決定する一番大きな要因は、患者自身の「カルマ」なのです。カルマが清算されていなければ、どれほど手を尽くしても病気は完治しません。

カルマ以外にも、患者の精神状態やストレスの状況などが治療効果に影響を及ぼします。

スピリット・ヒーリングの結果は、やってみなければ分からない

患者サイドのさまざまな原因によって、治療エネルギーは制約を受けるようになります。このためヒーラーとしては、自分のヒーリングが果たしてどの程度の効果をもたらすことになるのかは、やってみなければ分かりません。それは霊界の霊医団にとっても、同じことです。霊医から送られた治療エネルギーは、媒介者であるヒーラーによって制約を受け、さらに患者によっても制約を受けることになるため、治療効果については予測ができないのです。

ただし、治療効果が制限されるといっても、全く効果がなくなってしまうわけではありません。完治はしないまでも部分的治癒が発生し、病状が好転したりします。

こうした実情に照らしてみると、世の中でよく見られる「自分はどんな病気でも治せる」と豪語する治療師は、ニセモノであることが分かります。

2)実際の治療結果

完治と部分的治癒

完治と部分的治癒

スピリット・ヒーリングは、長年の病気を一瞬にして治す可能性を持っていますが、今述べたように常に完治という結果が得られるわけではありません。完治こそスピリット・ヒーリングの理想でありヒーラーもそれを願っていますが、多くの場合、部分的治癒にとどまります。スピリット・ヒーリングの実際の結果としては、部分的治癒が大半を占め、完治のケースはさほど多くはありません。スピリット・ヒーリングを受けても完治しない、すなわち部分的治癒にとどまってしまうのは、患者に「カルマ」が残っていて、まだ「病気が治る時期」がきていないからです。

しかし部分的治癒であっても、時として肉体の症状が瞬間的に消滅することがあります。それが奇跡的治癒として人々を驚かせることになりますが、カルマが残っているかぎり、いずれ再発するようになります。

完治のケース

カルマが清算され「病気が治る時期」がきている患者の場合には、ヒーラーからの治療エネルギーが「霊」をはじめとするすべての構成要素に行きわたり、身体全体が活性化するようになります。最も高次の「霊」が充電されてエネルギーレベルがアップし、そこから「霊の心」「霊体」「肉体」へと霊的エネルギーがステップダウンすることになります。それによって全身が調和状態に置かれ、病気が完治することになるのです。

これは、スピリット・ヒーリングの理想的なケースです。

スピリット・ヒーリング…完治のケース

部分的治癒のケース【1】

患者の身体に取り入れられた治療エネルギーが「霊の心」と「霊体」と「肉体」に届き、そこを部分的に活性化するのが部分的治癒の1つ目のケースです。この場合、「霊の心」のエネルギーレベルがアップするため、患者の心(意識)に変化が生じるようになります。これまで味わったことがない安らぎ・平静さを感じ、愛の思いで心が満たされるようになります。また、霊体と肉体のエネルギーレベルも引き上げられるため、身体が軽くなり、肉体の異常(病気)が消滅することもあります。

しかし、このケースでは最も上位の「霊」は充電されておらず、それ以下の構成要素(霊の心・霊体・肉体)の一部分が活性化されているにすぎません。そのためいったんは奇跡的治癒が起きたように見えても、時間の経過とともに病気が再発することになります。

スピリット・ヒーリング…部分的治癒のケース1

※このケースにはいろいろなバリエーションがあり、一人一人で治療領域が異なります。図では3人の患者のケースを取り上げています。

部分的治癒のケース【2】

患者の身体に取り入れられた治療エネルギーが「霊体」と「肉体」に届き、そこを部分的に活性化するのが部分的治癒の2つ目のケースです。この場合、「霊体」と「肉体」のエネルギーレベルがアップするため、身体が軽くなり、肉体の異常(病気)が消滅することもあります。

しかし、この場合も先のケースと同様、「霊」という根源部分の充電と活性化がなされていないため、いずれ病気が再発することになります。気功治療や手かざし治療の大半が、このケースです。

スピリット・ヒーリング…部分的治癒のケース2

※このケースにもいろいろなバリエーションがあり、一人一人で治療領域が異なります。図では3人の患者のケースを取り上げています。

部分的治癒のケース【3】

患者の身体に取り入れられた治療エネルギーが「肉体」に届き、そこを部分的に活性化するのが部分的治癒の3つ目のケースです。この場合、「肉体」のエネルギーレベルがアップするため、体が軽くなり、症状が好転したかのように感じます。時には、肉体の異常(病気)が消滅するようなこともあります。

しかし、このケースでは上位の構成要素(霊・霊の心・霊体)には何の変化も生じていません。全身の不調和状態はほとんど改善されていないため、一時的に病気が治ったように見えても、さほど時間をおかずに再発することになります。鍼灸や指圧・手技による治療の大半が、このケースです。

スピリット・ヒーリング…部分的治癒のケース3

※このケースにもいろいろなバリエーションがあり、一人一人で治療領域が異なります。図では3人の患者のケースを取り上げています。

3)スピリット・ヒーリングの「治療領域理論」

このように、同じ1人のヒーラーから治療を受けても、患者の治療エネルギーの受容性によって、治療結果はさまざまになります。ある人(カルマが清算され病気が治る時期がきている人)は、ヒーラーから治療エネルギーが与えられた瞬間に、長年の病気が奇跡的に治癒することになります。こうした“瞬時の完治”こそスピリット・ヒーリングの真骨頂であり、その威力を証明するものです。スピリット・ヒーリングに携わるヒーラーは皆、完治を目標としています。

しかし現実には、患者サイドの内容、特に「カルマ」の清算状況がスピリット・ヒーリングの治療結果を左右することになります。多くの場合、スピリット・ヒーリングによって何らかの効果はあっても、“部分的治癒”にとどまるようになります。そしてその部分的治癒も、さまざまなバリエーションを取ることになります。

このようにスピリット・ヒーリングでは、患者の内容によって「治療効果」と「治療結果」が決定されます。この大原則を理論化したものが、スピリット・ヒーリングの「治療領域理論」なのです。