(2)遠隔ヒーリング

離れた所にいる患者を治療する不思議な治療形式

遠方にいる患者を治療

一般的にスピリット・ヒーリングは、ヒーラーが患者を前にして霊医の治療エネルギーを与える形で進められます。これが「直接ヒーリング」で、大部分のスピリット・ヒーリングはこの形式です。

ところがスピリット・ヒーリングは、遠く離れた所にいる患者に対しても効果を発揮します。これを「遠隔ヒーリング(遠隔治療・アブセントヒーリング)」と言います。何百キロも離れた所にいる患者を治療するなどというようなことは常識では考えられませんが、現実に多くの患者が遠隔ヒーリングで癒されています。

遠隔ヒーリングのメカニズム

テレパシーは、世間でよく知られている「心霊現象」の1つです。“テレパシー”とは、地上世界の言語を用いずに意念が届く現象で、遠く離れた所にいる人間同士の間でも発生します。しかもテレパシーによるコミュニケーションは、時空を超えた電光石火のスピードでなされます。とは言っても、地上人同士のテレパシーでは、詳細な内容・込み入った内容を伝えることはできません。

それに対して霊界では、“テレパシー”がすべてのコミュニケーションの手段となっています。霊たちは、地上人が言葉を用いて自分の思いを伝えるよりもずっと詳細に、テレパシーで互いの思いを伝え合っています。遠隔ヒーリングでは、こうしたテレパシーと同じ「霊的能力」が用いられます。

地上のヒーラーに患者や患者の家族・知人から治療の依頼がなされ、ヒーラーの意識がその患者に向けられた瞬間に、離れた所にいる患者との間に“霊的パイプ(霊的通路)”がつくられます。それと同時に、ヒーラーを介して患者と霊医との間にも“霊的パイプ”がつくられ、三者がリンクするようになります。この霊的パイプを通して、霊医による治療エネルギーが遠方にいる患者に届けられることになるのです。

直接ヒーリングと同じ治療効果をもたらす「遠隔ヒーリング」

常識的に考えると、遠く離れた所にいる患者を治療するよりも、目の前の患者を治療する方が治療効果をあげられるように思われます。大半のヒーラーも、直接ヒーリングの方が遠隔ヒーリングよりも効果が高いと考えています。

しかし、地上とは異なり時間と空間の制約がない霊界では、地上的な距離は何の障害にもなりません。霊医にとっては、遠隔ヒーリングであっても直接ヒーリングであっても同じ治療効果をもたらすことができるのです。

時間に関係なく、いつでも治療が可能になる

いったん霊医と患者との間に“霊的パイプ”ができ上がると、治療は自動的に進んでいくようになります。「病気が治る時期」がきた患者の場合には、霊医がヒーラーの身体を介して治療エネルギーを届けることで、病気が完治するようになります。

また“霊的パイプ”は、いったんでき上がると消滅することがないため、霊医は患者の都合(状況)に関係なく、治療エネルギーを送ることができるようになります。相手(患者)が寝ていようと忙しく働いていようと、霊界から一方的に治療エネルギーを送ることができるのです。

遠隔ヒーリングは普通、ヒーラーと患者が時間を決めて行いますが、スピリット・ヒーリングによる遠隔ヒーリングでは、そうした形にこだわる必要はありません。「時間や場所に関係なくヒーリングができる」――これが霊界の医者が主役となって進める「スピリット・ヒーリングによる遠隔ヒーリング」の最も便利な点なのです。

2種類の遠隔ヒーリング

すでに述べたように、スピリチュアル・ヒーリングには「スピリット・ヒーリング」以外に、ヒーラー自身が持っている生体エネルギーを用いる「サイキック・ヒーリング」と「マグネティック・ヒーリング」があります。サイキック・ヒーリングとマグネティック・ヒーリングには霊医の関与はなく、すべてが地上のヒーラーによって進められます。スピリチュアル・ヒーリングの多くがこの種の治療法であることは、説明した通りです。

実は、霊医が関与しない「サイキック・ヒーリング」でも、遠隔ヒーリングは可能です。ヒーラーが遠方にいる患者に意識を向け意念を集中すると、“霊的パイプ”ができ上がります。この通路を通してヒーラーは、自分のサイキック・エネルギーを患者に送ることができるようになります。これがサイキック・ヒーリングによる「遠隔治療」です。

もう一度整理すると、遠方の患者を治療する「遠隔ヒーリング」には、スピリット・ヒーリングとサイキック・ヒーリングの2種類があるということです。治療効果としては、サイキック・ヒーリングによる遠隔ヒーリングは、スピリット・ヒーリングによる遠隔ヒーリングには遠く及びません。

面識がなくても、また患者が唯物論者であっても治療は可能

遠隔ヒーリングに携わっていると、思いも寄らなかったさまざまな出来事に遭遇するようになります。その1つが、「ヒーラーと患者に面識がなくても治療が成立する」という事実です。患者の家族や知人からの依頼によって、患者本人が知らないうちに行われた遠隔ヒーリングを通して病気が癒される、といったことが実際に起きるのです。

また、患者が“唯物的思考”に染まっていて、霊的なことを一切認めず「スピリチュアル・ヒーリングなど受けたくない」と思っていても、患者の家族からの依頼によって遠隔ヒーリングをすると病気が劇的に好転するようなこともあります。あとで事情を聞かされた本人(患者)は、しぶしぶその事実「遠隔ヒーリング」によって病気がよくなったこと)を認めることになります。

こうした出来事は、「スピリット・ヒーリング」がまさしく物質次元に限定されない治療法であり、信仰治療などでしばしば見られるプラセボや暗示作用とは無関係な治療法であることを証明しています。